その名を知ってから、ひそかに憧れを抱いていた求菩提山(くぼてさん)。
前回、森林セラピーとその基地豊前のことを調べたら「トレッキング体験」が開催されることを知り、
どうしても参加したくなってしまった。
「新緑の求菩提 遺構をめぐるトレッキング体験」
山のことを知り尽くしたガイドの方に、憧れの山を案内してもらえるなんて。魅力的だ。
とはいえ、団体行動が苦手な自分。正直かなり躊躇した。
しかしながら、最終的には
「参加したい!」の気持ちの方が勝って参加申し込みをした。ドキドキである。
5月中旬の日曜日、トレッキング体験当日。
集合場所の求菩提駐車場へは豊前市のコミュニティバスで向かう。
前日、このコミュニティバスを駆使し豊前市内を廻ったので、心にも余裕が出てきた。
こんな時、勝手にそのまちの住民気分を味わえて嬉しくなったりもする。
集合場所には、もう何組もの参加者の方々が到着されていて
皆、楽しそう。
充実した一日になりそうな予感。
豊前市役所の担当の方が受付してくださり、
この日歩くコースのマップとお弁当、そしてスタンプカードや入浴券まで渡された。
そう、このトレッキング体験、山を歩いた後は温泉でゆっくりしてね、ということで
求菩提温泉の入浴券までセットになっているのである。
まさに至れり尽くせり。豊前のまちの魅力を知ってもらいたい、という想いを感じる。
それからこの時に
「お弁当、中身が片寄らないように、リュックの底に入れてくださいね」と声をかけられ、
優しくも細やかな配慮に、なんだか嬉しくなってしまった。
幸先良い感じ!
参加者全員の受付が済んだところで、
今回のコースであるスタート地点に移動。そこで、山のスペシャリストであるガイドの皆さんとご対面。
ガイドのかたがたによる挨拶の後、皆でストレッチ等を行い、トレッキング準備完了。
「それではスタートしまぁす!」
いよいよ憧れていた求菩提山の散策だ。
高揚感でなんとなくソワソワする自分。我ながら笑えてしまう。
歩き始めると、ひんやりとした空気が全身を包み
もうすでに心地よい。
足元は苔生す岩たちがあり、頭上には新緑が美しい空間。
緑のグラデーションの世界が広がる。
40分ほど歩くと、求菩提山の画像で良く目にするスポットに到着。
江戸時代に彫られたという、「獅子の口」。
私たちが到着した最初、上の方で水路が断たれて獅子の口元はカラカラに乾いていたのだが
ガイドの方が岩の上の方まで登って水が通るようにしたところ、
獅子の口から水が出てきた。凄い!
求菩提山が修験道の霊山として修行が行われていた頃
この場所から先は、一切の飲食が禁じられていたとのこと。
そんなことに思いを馳せながら、豊前の特産品という柚子茶をふるまっていただき
小休止。
ほんのり甘くて、美味しい柚子茶だった。
少し冷えた身体が温まって、心もほんわりとしたことが今でも思い出される。
そして
トレッキングスタートから1時間ほどしたところで
求菩提の木々に囲まれた広場にて「森林セラピー」を体験。
芝生のように草が生えている広い場所で
各々好きな場所でゴロンと横になり、軽い瞑想のようなリラックスタイム。
ここは、トレッキング後に地図を見て
中宮(国玉神社・鬼神社)の近くの広場だったと知った。
自分の視界には、緑でおおわれた空間が広がる。
木陰の下に横たわっていると
地面のひんやりとした冷たさとか、
ちょっと湿り気を含んだ風が自分の輪郭を通り抜けていく感覚とか、
全身で呼吸をしている解放感とか・・・・もろもろが、ただただ心地よい。
今回のトレッキングコースは
随所にこういったリラックス体験が組み込まれていて、
あまり体力に自信がない自分でも無理なくついていけるような編成となっており
一度も不安を覚えることはなくて、本当にありがたかった。
そして、求菩提山といえば「鬼の石段」。
豊前市観光協会のホームページにそのいわれが詳しく紹介されている。
そう。
鬼が築いたといわれる、850段もある石段が続くのである。
先程の、心地よいセラピー体験の後だから
なんとか頑張れそうな気がする。
鬼の石段、登り切れるか?!またその先は?!
求菩提山への想いが強すぎてか、
思いのほか、長くなってきたので
続きはまた次回に。
活まち出身の旅人W
豊前市HP「森林セラピー基地豊前」
https://www.city.buzen.lg.jp/therapy.html