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生きている喜びを感じる東川町の暮らし
 ~移住3年目の冬~

たのしむ   やわらぐ   すごす  
2023.12.1

 

私は2021年の春に、雪の降らない暖かい町から北海道東川町へ移住しました。

これまで、この町での暮らしで感じたこと、感動したこと
-雪解けの時季から春を迎えた景色の素晴らしさ、美味しいお米を育てる豊かな水が流れる水路、稲穂が実り黄金の海のような秋の風景-などを、
活まちコラムで6回に渡り書かせていただきました。

今回は、日々の暮らしの中で感じる喜びについて書きたいと思います。

 

朝、目が覚めるとカーテンを開けて天気を確認するのが東川町に移住してからの日課になりました。
この日課は自然豊かな町で暮らすために欠かせないものとなっています。雨が降っているかいないかだけではなく、風の強さ、季節によっては雪の積もり方、気温の低さなど、確認することがたくさんあります。
移住前に住んでいた暖かい町でも台風や高温になる日、大雨など天気を気にしなければならない日はありましたが、毎日のように気温や雪の降り方、積もり方などを確認し、自分の生活を自然に合わせていく暮らしは初めての経験でした。

東川町の冬は、気温がマイナス20度前後まで下がることがあります。厳しい自然を感じながらの生活は大変なこともありますが、その世界でしか味わうことのできない景色や体感があります。慣れない雪道を運転し、職場から帰ってこられたことに感謝したり、玄関のドアを開けた時に感じる家の暖かさにホッとするなど、当たり前のことがとてもありがたく感じます。
また東川町は、とても強い風が吹く日があります。強風の荒々しい音を聞いていると大自然の中に暮らしていることを実感します。それと同時に、その風から守ってくれている家にも感謝するようになりました。このように東川町で暮らすようになってから、当たり前のことに感謝することがとても増えました。

 

毎朝、玄関を出て、駐車場に向かうほんの少しの間にも喜びを感じる瞬間があります。それは、澄んだ空気に包まれる時です。気持ちの良い朝の空気は、私のテンションを一瞬で上げてくれます。時間にゆとりのある時は立ち止まって深呼吸をします。すると体中に新鮮な空気が入り、自然に「あ~気持ちいい!」と思わず声が出てしまうほどです。

 

東川町では、町民の皆さんが地下水である天然水を飲んでいます。水道から出る水が、美味しいのはもちろんですが、お風呂のお湯までやわらかいのです。手を洗ったり、お茶碗を洗ったりする時にも、その天然水に触れているだけで疲れがとれていくような感覚になることがあります。

朝、起きて飲む水の美味しさ、その水で炊くご飯の美味しさ、お風呂のお湯の気持ちよさなど、水に触れることの多い暮らしの中で、その豊かな水によってもたらされる心地よさや喜びは計り知れません。
私は、水を飲むたびに幸せを感じ、この水を育んでくれた旭岳をはじめとする東川町の山々に感謝するようになりました。
この水に触れているたび、東川町に暮らして本当に良かったと思う日常を送っています。

 

夜になり、窓を開けると、忠別川を流れる水の音が聞こえてきます。季節によっては、そこに加え虫の音が音楽のように聞こえてくる日があります。そんな日は、部屋の明かりを消して、心地よい風を感じながらしばらく虫の音を聴いています。窓から入ってくる空気もひんやりとしていてとても気持ちが良いのです。
虫の音を聴いている耳、澄んだ空気を吸っている鼻や口、気持ちの良い風を感じている顔など、体中で幸せを感じます。
このように自然へと五感と意識が向いていく生活は、とても心地よく、自分は生きているんだなあと実感します。
今というこの時がかけがえのないものに感じられて感謝の想いでいっぱいになります。

 

また帰宅が遅くなった夜もふと空を見上げると、たくさんの星の中に天の川が見えるのです。その美しい星空に魅了されしばらく眺めていると、こんなにたくさんの星々が、いつも私の上に輝いているんだ、とワクワクした気持ちになり、疲れも一瞬で消えてしまうのです。

東川町の豊かな自然は、日々の暮らしの中で様々な幸せな体験を与えてくれます。
それは、自分が生きていることを実感する瞬間であり、それが私の喜びとなります。東川町での暮らしは、生きている喜びが散りばめられた日々なのです。

 

自然に親しむ町民F

 

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