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妄想で旅をしてみよう!~福島県伊達市編・その4
 

たのしむ   まなぶ  
2022.4.6

前回まで2回にわたって、伊達市の名産である「さくらんぼ」と「柿」について、いろいろと調べながら旅する気分を味わってきました。今回は果物から少し離れて、伊達市を妄想旅行しているうちに気になった場所である「旧亀岡家住宅」について調べていきたいと思います。

この「旧亀岡家住宅」、私が興味を持った一番の理由は「和洋折衷住宅」であるということ。以前、北海道・函館市を旅行した際に実際に和洋折衷住宅を見学したことがありますが、ユニークな外観の建物が立ち並ぶその様子におもちゃの世界を旅しているような気分になり大変ワクワクしたものでした。函館の和洋折衷住宅は、1階が和風、2階が洋風で設計され、「上下和洋折衷住宅」と呼ばれています。こういった建築様式が広がった理由は諸説あるようですが、いち早く貿易港として開かれた函館ではそこに住む外国人から洋風の建築技術を学び、教会などの洋風の建物を実際に建築する機会も多くあったのだろうと想像します。

さて、話を伊達市に戻したいと思います。「旧亀岡家住宅」の情報は、伊達市の公式ホームページに詳しく掲載されていました。施主の亀岡正元氏は蚕種製造で財をなした豪農で、後に県会議員や郡会議員を務めるなど政治家としても活躍したとのこと。この建物は正元の住居でもあり、社交や集会の場としても使用されていたようです。
さて、この「旧亀岡家住宅」、どこが和洋折衷なのかというと、建物の外部は洋風だが内部は和風の造作なのだそうです。白と赤のモダンな外観とは対照的に、内部は、一部に洋風技法を採用してはいるものの、大部分は和風の座敷からなっているようです。外観は西洋建築にこだわりつつも、実際に生活をする内部は伝統的な日本建築を取り入れた正元氏。一体どんなことを考えて、こんな発想にたどり着いたのかはわかりませんが、当時、様々な意匠や工法が混じった建物を作ることは最先端かつ大変難しかっただろうと考えると、正元氏にとってこの住宅建築は大変こだわりのある一大プロジェクトだったことと思います。

旧亀岡家住宅のアルコーブの階段
旧亀岡家住宅のアルコーブの階段

そんなこだわりの住宅の内部の様子も公式ホームページに掲載されていますが、今日ご紹介したいのは「アルコーブの階段」。3階へと続く階段には傷があり、その部分にはなんと伊達市の名産である「柿」が彫ってあるのだそうです!この「柿」以外にも様々な彫り物が随所に施されているという「旧亀岡家住宅」。彫り物を探しながら見て回るのも大変興味深そうです。

活まち子ども会 保護者A