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ワークショップからつながっていく、
二拠点居住と転職の物語。

つくる   親しむ   挑む  
2022.3.30

都心からのアクセスが便利な「とかいなか」山梨県都留市。個性ある山々や平成の名水百選にも選ばれた清らかな湧水溢れる自然環境の良さが自慢のまちです。本田さんは、ワークショップデザイナーとして都留市に関わり、様々な縁がつながって、都留市にも拠点を持ちました。現在は東京で生活しながら、都留市の企業に転職、主にリモートワークで勤務しています。どんな”転機”があり都留市の企業に就職するに至ったのか、要注目のストーリーです。

※本記事は2022年3月に執筆したものです。
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本田 久仁子(ほんだ くにこ)さん
C-table株式会社/コミュニケーションデザイナー。都内のデジタル関連企業で各種プロジェクトマネジメント、ディレクションを担当する中、2020年9月、「生涯活躍のまち・つるビジネスプランコンテスト2020」のプレイベントである「高齢者の課題解決アイデアワークショップ」の企画、設計、ファシリテーションを行う。その後、地方での課題解決に興味を持ち、2021年5月、山梨県都留市にあるC-table株式会社に転職。転職後はデジタルを活用したまちづくり事業に取り組んだり、都留市の高校生にものづくりのワークショップを実施したりするなど、都留から地方を明るくする活動に取り組んでいる。家族と共に主に東京で生活をしつつ、都留市の空き家も借りて二拠点生活をしている。
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――本田さんの都留市との出会いを教えてください。
はい、当時勤めていた会社の上司から、「生涯活躍のまち・つるビジネスプランコンテスト2020」のプレイベントである「高齢者の課題解決アイデアワークショップ」の企画設計を依頼されたことが、都留市との出会いです。都留市はゴルフをしに訪れたことがあり、近くの道志村へよくキャンプも行っていたため、親しみは持っていましたが、「まち」としてどんなところなのかはよく知りませんでした。

内容としては、都留市の推進する「生涯活躍のまち」をテーマに、サービス付き高齢者向け住宅に住む高齢者の方々にインタビューして、どんな課題を抱えていて、どういう解決策があるか、丸二日間かけてワークショップの参加者とともに考えていくという、大がかりなものでした。

その当時はコロナ禍に入ってまだ半年くらいだったので、オンライン開催で初の対外的なワークショップを実施する機会となりました。

オンラインワークショップの様子
オンラインワークショップの様子

無事に終了したあと、市の方が「打ち上げをするのでぜひ都留にきてほしい」と言ってくださり、都留市を訪問しました。とても気さくな方ばかりで、都留市の方々とつながれたことをとても嬉しく思いました。

――そこから、二拠点居住をするまでに至ったんですね。
そうですね。新型コロナウイルスが流行りだして、IT企業に勤めていた私は、ほぼ在宅ワークになりました。二拠点居住したい、という明確な思いはなかったんですが、たまには働く場所の景色を変えたい、何か良い方法はないか、と思い始めたんです。

東京から近く、二拠点居住者も多い都留市
東京から近く、二拠点居住者も多い都留市

都留市と関係ができていたので、使えそうな空き家がないかと探していたら、割とすぐに物件をご紹介いただくことができました。2年くらい使っていない家だったので、夫の趣味もあり、半年くらいは、二拠点生活を始める準備としてリノベーションを進めていました。都留市は東京の自宅から車で1時間程度で行けるので、今では、ふらっと休日に都留の家に行って、庭でバーベキューもできるようになり、子どもたちも喜んでくれていますね。

仕事面でも、ワークショップ開催のご縁で、都留市でデジタルマーケティングの副業を始めていたのですが、本業より副業の割合がどんどん大きくなっていって。東京にはデジタルに強い人材はいっぱいいるけど、地方には少ないし、ワークショップの考え方も、地方の方が都会よりも必要なのではないか、より自分が役に立つことができるんじゃないかと思い、転職することにしました。現在の業務としては、「道の駅つる」のWEBサイト運用や、都留市の工業高校生へのワークショップ開催などを行っていて、今後も官民連携でさまざまな取り組みを実施していく予定です。また、転職後のC-table株式会社では、「都留から新しい産業を創る」というビジョンのもと、対話を深めて個の強みを活かすワークショップ型の組織の導入にもチャレンジしています。

都留市興譲館高校でのワークショップの様子
都留市興譲館高校でのワークショップの様子

――都留市とのつながりもワークショップがきっかけでしたが、今では都留市内でワークショップを開催されてるんですね。IT業界に勤める本田さんが、ワークショップデザイナーになったきっかけはあるんでしょうか。
長年WEBサイトの新規構築などのプロジェクトマネジメントに携わってきたんですが、チームでのコミュニケーションが、なかなかうまくいかないことが多く、そこに課題感を感じていました。ですがこれは、プロジェクトというよりも日本全国のあらゆる組織に存在する課題なんじゃないかと思ったんです。対話を通して、相手を「否定する」のではなく、「受け入れる」コミュニケーションを、みんなが実践できれば、世の中はもっと良くなるのではないかと。そんな想いから、ワークショップデザイナーの育成プログラムを受講しました。

受講後は早速実践しみようと、社内で何回か、有志でワークショップを企画し、開催していました。そうしたら、当時の会社の上司から、「コロナ禍をどう乗り越えるか」をテーマにワークショップをつくってほしいという話があり、いくつか開催したところ、今度は都留市の「高齢者の課題解決アイデアワークショップ」の話が舞い込んできました。「高齢者の課題解決アイデアワークショップ」を運営している方(現会社の社長)と、会社の上司がたまたま知り合いだったんです。

社外でのワークショップ開催は都留市のものが初めてだったので、緊張しましたし、規模も大きかったので大変でした。事前にプレワークショップや、プレインタビューも行い、うまくいくように準備もしっかり行いました。準備中、思い入れが強すぎて、他のメンバーと喧嘩したりもしました(笑)。

今思い返すと、対話の重要性を広めたい、という私の想いが色々な方に伝わって、思いもよらず都留市との出会いがあり、ワークショップを企画することになったり、転職をすることにつながったのかもしれません。

――想いと技能がつながっていって、今に至ったのだと思いました。お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。

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