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【イベントレポート】
“守る農家”から“変える農家”へ

まなぶ   親しむ   つくる  
2021.9.7

二十世紀梨の出荷量日本一。そんなゆりはまの農家さんが若い人たちを巻き込んで地域づくりを進めています。まちの元気を育てるゆりはまの農業、夢見る農家さんが見つめるその先にあるものは?

【ゆりはまカレッジ】地域との

【ゆりはまカレッジ】地域との”かかわり方”を 見つける場。
~梨と田んぼからはじまる地域づくり編~
2021年8月5日(木)19:30~



鳥取県の中央に位置する湯梨浜町。この地に暮らす人々との出会いを通してまちを知り、まちとの関わりを形づくる場が「ゆりはまカレッジ」です。今回は「梨と田んぼからはじまる地域づくり編」として、湯梨浜町の農家さんをゲストにお送りします。

イベントの冒頭は、湯梨浜町役場みらい創造室の谷岡さんがまちの様子を紹介していきます。

湯梨浜町紹介01
町名が特徴を表す湯梨浜町。「温泉」「梨」「海」、なかでも日本一の出荷量を誇るのが二十世紀梨。ゲストの前田さんもこの梨の生産に携わっている。
湯梨浜町紹介02
海、山、湖など多様な自然環境に囲まれる湯梨浜町には梨をはじめ様々な特産品がある。農作業体験ツアーでは農業を通してリアルなまちを感じることができる。
湯梨浜町紹介03
まち全域で生涯活躍のまちづくりに取り組む湯梨浜町。今回谷岡さん達がいる「もりた屋」もその1つで、古民家を活用した「ゆりはま暮らしお試し住宅」である。(地図右下)
湯梨浜町紹介04
生涯活躍のまちを体現する「レークサイド・ヴィレッジゆりはま」。東郷池のほとりにあり、子育て世代からシニア世代まで多世代が循環できるまちを目指す。
湯梨浜町紹介05
3つのテーマ「仕事・子育て・福祉」から希望の多かった「仕事」を紹介。就農支援では県やまちの制度が多数あり、また「果樹生産振興担当」の地域おこし協力隊も募集中とのこと。(2021/8/5現在)
湯梨浜町紹介06
湯梨浜町の始めた新しい試みが関係人口「ゆりはまフェロー」。観光以上移住未満の人々を「ゆりはまフェロー」に認定することで、まちとの関係性を深めていく。

本日のゲストは湯梨浜町で梨と米の専業農家を営む前田佳寛(まえたよしひろ)さん。「梨と田んぼからはじまる地域づくり」をテーマにさっそくお話が始まります。

Uターン就農でご実家を継いだ前田さん。「夢見がちでいろんなことをやってみたかった」の言葉通り、建築設計からバンドマンまで様々な職に就いてきました。

そんな前田さんが東京で働いていたある日のこと、実家の梨を食べた勤め先の社長の「こんなうまい梨があるのに跡を継がないのはもったいない」のひと言が転機をもたらします。色々調べてみると「意外と儲かる産業」であることもわかり、「おいしい梨をつくれて儲かるのであれば…」と新たな夢に向かって故郷ゆりはまへ帰るのでした。

湯梨浜町ゲスト01
農業の魅力として“探求に終わりがない”をあげる前田さん。「突き詰めれば突き詰めるほど際限がないです」と話すその姿からは農業にかける思いが伝わってきます。ちなみに写真の梨は鳥取県待望の新品種「新甘泉(しんかんせん)」、感動する味を是非ご賞味ください。
湯梨浜町ゲスト02
なぜ若い人は農業に魅力を感じないのか?まちの若い人と話す中で前田さんは「農作物栽培に対する知識不足」が原因の1つではないかと考えます。「農業で食っていけるというイメージがわいていない?」 それならと、自ら若い人向けの勉強会を企画していくのでした。
湯梨浜町ゲスト03

勉強会の最初のテーマは「お金」。時給換算で説明していくと参加者からも「意外と儲かるじゃん!?」の声。経営者の視点も織り交ぜながら、農業経営に必要なことを若い人たちへ伝えていきます。
湯梨浜町ゲスト04

「トラクター、乗ったことないなら乗ってみよう!」と開いたのがこの「乗ってみよう会」。トラクターはどんな作物にも応用できる農作業機。その便利さや危険さを身近に感じてもらうことで農業への距離を縮めていきます。ちなみに第二弾として「田植機、乗ってみよう会」も開催したとのこと。
湯梨浜町ゲスト05

「田舎からすごいこと始めてもいいじゃん!(笑)」 そう話す前田さんは農業DX(デジタルトランスフォーメーション)やアグリツーリズムなど変化の先をみつめています。「父の代は農地を守ることが地域を守ること」「僕たちの代は“守る”から“変える”」。そこには前進しながら課題に取り組んでいく「未来に向けたビジョン」があります。

「ゆりはまカレッジ クロストーク」のコーナーでは、前田さんと谷岡さんが参加者の質問に答えていきます。「どうやって農業の知識を得たか?」「農業収入とそれに必要な規模は?」といった農業に関すること、「雪はどれくらい降るか?」といったまちに関すること、「短期就農は可能か?」といった関わり方に関することなど内容も様々。「もりた屋を活用した短期就農プラン」のアイディアも出るなど、みなさん、ゆりはまを身近に感じてもらえた様です。

ゆりはまカレッジクロストーク 2021/08/05

左から、ゲストの前田さん、湯梨浜町役場の谷岡さん、ファシリテーターの鈴木さん。前田さんと谷岡さんは、古民家を活用した「ゆりはま暮らしお試し住宅 もりた屋」から参加。


「このまま梨と米を作るだけでいいのかな? 農業を使って何か他に面白いことないのかな?」 そんな思いで始まった前田さんの地域づくり。

「おもしろいな、楽しいな、ここに住んどって良かったなって思ってもらえればいいのかな。」

おいしい梨と地域の未来、ゆりはまの元気がここからはじまります。

シネマ活まち映写室より

ゆりはまカレッジエンディング 2021/08/05