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大切なのは、誠実さ。
地方を楽しむ、地域おこし協力隊員の話。

たのしむ   親しむ   やわらぐ  
2022.3.16

鳥取県の中央に位置する湯梨浜町。湯梨浜という名前は「東郷湖から湧き出る温泉」「大地がはぐくむ二十世紀梨」「日本海に広がる白い砂浜」に由来しています。
田中さんは、2021年秋、都内から縁もゆかりもない湯梨浜町へ移住、地域おこし協力隊に着任。これまでの社会人経験を活かし、住民ひとりひとりと向き合いながら、スマホ教室などの活動をしています。
そんな田中さんに、移住の経緯と、どんな経験が地方で活きるのか、そして地方で生きる上で大切なことは何か、お話を伺います。

※本記事は2022年3月に執筆したものです。
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田中 恭平(たなか きょうへい)さん
東京生まれ、千葉育ちの33歳。大学卒業後に都内で就職、2021年10月まで都内で勤務後、湯梨浜町地域おこし協力隊に着任。
デジタル推進担当として、前職の営業職、前々職の情報システム企業勤務の経験を活かし、年配の方へのスマホ教室などを担当。
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――最初に、田中さんが湯梨浜町に移住し、地域おこし協力隊に着任された経緯を教えてください。
昔から地方暮らしには興味がありました。大学時代、岩手県陸前高田市に自動車免許を取りに行ったんですが、そのときに自然豊かで海のある土地に住んでみたいと感じました。陸前高田市から千葉の実家に帰ったら、シャワーの水が臭く感じたんですよね。それが地方暮らしへの想いが強くなるきっかけだったかもしれません。

そのあとは数年間社会人生活をしていましたが、移住前は、仕事も少し停滞気味だったので、いいタイミングだったんです。
最初は地方にある一般企業に転職しようと思っていたんですが、調べていくうちに地域おこし協力隊という選択肢に魅力を感じました。お金を稼ぐことより、人のために働くことに興味があったんです。

湯梨浜町は、名前のユニークさに惹かれました!特に、温泉が好きなので、今も「湯」を楽しんでいます。
縁もゆかりもない鳥取に移住を決めた際には、家族や友人には驚かれましたが、「やるかやらないか」だったら「やった方がいい」、「やらないで後悔するよりやった方がいい」と思いましたね。

湯梨浜町の東郷温泉
湯梨浜町には、東郷温泉と羽合温泉の2つの温泉が湧いている。

――地域おこし協力隊に着任されて、どんな業務をされているか教えてください。
主に高齢者向けのスマホ教室を開催しています。湯梨浜町にはいくつかの支所があるので、本庁舎とあわせて、毎週どこかで実施しています。高齢者には、スマホを使いこなせていない方が多く、「アプリやアップデートのことがわからない」「詐欺がこわくてスマホをさわれない」みたいな声が多いんですよね。住民の方と1対1で接する機会が多くて、昔話とか色々なお話を伺えるのも楽しいです。住民の方から食事に誘われることなんかもあって、あたたかさを感じています。

自分のことは、町報に載っているほか、区の集会で挨拶させていただいたりして、知っていただいています。今年は着任1年目ですし、人脈を広げていきたいという気持ちもあって、区の懇親会とか、積極的に色々な場に参加しています。都会では、引っ越して隣の住人に挨拶してもちょっと怪しまれる・・・みたいなことがあるわけですけど、湯梨浜ではないですね。そういうのも楽しいです。

――町民の方と積極的にお付き合いしていらっしゃるんですね。首都圏で働かれていた経験で、活きていると感じるものはありますか?
営業職だったことは活かされていると思います。スマホ教室でも、全ての質問に対して答えを持っているわけじゃありません。でも、わからないなりに誠実に対応すれば、わかっていただける。私にはなにか特別なスキルがあるわけじゃないので、誠実さが一番大切だと思っています。

また前職では、割と高齢のお客様が多かったり、社内でもパソコンを使えるのが自分しかいなかったので、よく教えたりしていました。祖母と週1回程度会って、買い物をしたりしていたことも、関係あるかもしれません。

――お食事に誘われたり、住民の方に受け入れられているのも、田中さんの誠実な対応や日々のコミュニケーションの賜物ですね。最後に、今後も地域おこし協力隊として活動していく中で、成し遂げたいことやチャレンジしたいことがあれば教えてください。
何かしら爪痕を残したいですよね。デジタル田園都市国家構想の推進なども業務の一つなので、その方向でも結果を残したいです。

そして、3年間の任期が終わって、楽しかったね、って言って千葉に帰ることだけは絶対に避けたいです。新天地でわくわくしたい、知っている人がいない状況で頑張りたいということに加え、都会育ちで「地元愛」みたいなものがないので、そういったものを育みたい、という気持ちもあります。今後、もっと湯梨浜町に愛着が湧いていくと思います。

――田中さんの人柄や、地方を楽しむ力が伝わるお話でした。ありがとうございました。

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