5月のとある日。
鳥取県湯梨浜町で話題のスポット、「さくら工芸品工房」を訪れてみた。ここは、東郷湖の東側、松崎地区にある。元々小学校(湯梨浜町立桜小学校)だった校舎を改築し、個性あるショップが思い思いに運営している、というユニークな場所。実は一度目に訪れた時、なぜか建物入口入ってすぐ引き返したことがある(今思えば、私は学校が苦手だった、という個人的な思いが邪魔をしたのかもしれない)。
だから今回は、ちゃんとお店を見て廻ることができたらいいな、というのが一番の目的でもあった。
この建物の場所自体が東郷湖横の高台に位置するため、ここからの眺めは湖を遠くに見下ろすような構図となる。
遠くに薄く見える東郷湖。これはこれで一興。ここからの東郷湖は特に優しく映り、見るたびにホッとする。個人的にも大好きな場所である。
工房の建物に入ると、まさに学校を訪れた感覚。でも学校ではないのだ。
その証拠に、入口すぐ右横にはカフェがあり、遠目からケーキが並ぶショーケースが見えた。
なんと!早くも心が躍る。
ただ残念なことにその時点ではお腹がいっぱいだったため、今回カフェ体験はお預けとなった。
これはもう、次回の訪問時のための楽しみに取っておくことにする。
そんなわけで、入口正面先の階段を上がり、2階にあるドライフラワー専門のアトリエ、W & Co.に足を運ぶことにした。
2階に向かう階段から顔を出す、可愛いグリーンの数々。これを見て歓声を上げない人はいないのでは?!と思うくらいに、心奪われてしまうくらいの光景。
グリーンや園芸がお好きな方にはもう大正解、ストライクゾーンではないだろうか。
店内に入ると、専門店というだけあって、美しいドライフラワーがところ狭しと並んでいる。またショップ入口で出迎えてくれた美しいグリーンたちが店内の棚にも見事に並んでいて、見て廻るだけでドキドキワクワクしてしまう・・・。
もちろんドライフラワーやグリーンたちだけでなく、オーナーのお眼鏡にかなったと思われる、素敵な小物たちもセンス良く並んでいる。それらはどれも可愛く、時間が経つのも忘れてしまうほどに見とれてしまい、店内をぐるぐるしてしまう・・・。
よってこのお店を訪れる際には、時間に余裕を持っておくべし。これ、鉄則である。
なかでもとても印象に残ったのが、お店のかたの、接客の空気感そして距離感の心地良さ。
ちょうど、母の日が近かったこともあり、お客さんの一人が贈るお花の相談をされていた。とても柔らかで優しげなアドバイスが聞こえてきて、ただそれだけでふんわりと心が温かくなってくる。大切な人への贈り物を選ぶ時、このお店が思い浮かぶのって判る。相手が絶対に喜んでくれる、センスの良いプレゼントができそうだもの。
お店の中を何巡もして、どうしても連れて帰りたくなったグリーン。自分の部屋の中の、置き場所までイメージできたので購入することにした。
もちろん、このグリーンが可愛かったことが購入理由のメインではあったが、お店で過ごした素敵な時間をなんとなく手元に残したかった、というところもあったりして。
次に湯梨浜を訪れる時にも、絶対に足を運びたい、そんな素敵な場所だった。
こういったショップの存在も、このまちの魅力のひとつだと思う。
そして、この時出会ったグリーン、その名もグリーンドラム(和名はミドリノタイコ。つまり緑の太鼓!)。
帰宅後すぐに植え替えをして、数ヶ月。
我が家のテーブルにある愛らしい緑色の太鼓を見るたび、私はあのお店を思い出す。
また是非訪れたいな。湯梨浜町、そして素敵な空間へと。
活まち書店・店員M
さくら工芸品工房 https://www.yurihama.jp/site/sakura/