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東川町で家をつくっている!
 

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2022.6.29

初めまして。私たちは今、家を作っていて、ハウスメーカーや工務店は使わず、設計から自分たちの手でコツコツ作っています。(電気、設備関係は業者さんに直接お願いしてます。)その様子をこのコラムで書く機会を今回含めて全3回頂いたのですが、なんせ現在進行形で作ってるもので、3回目で家が完成まで行くかどうかはわかりません!多分無理だと思います!でもなるべく頑張ります!

家はずっと前から作りたくて、とにかく山の中が良くて、早く作りたい、早く作りたい、早く土地欲しい!という気持ちでした。やっと念願が叶った〜

私は音更町出身で、東川には移り住んで6年くらいです。家づくりやリフォームの仕事を夫としています。私は設計担当で、夫は大工です。二人とも、元々そういう仕事をしてました。私は大学の頃から建築の勉強をしていて、自分の家を作ることは夫と出会う前から目標だったので楽しいです。少しでも「自分で家建てたいな」という気持ちがあったら、みんなやったら良いと思います。でも大変なこと、ケンカすることもいっぱいあります。

 

<まず土地探し>これが一番時間がかかって、なんだかんだ3年くらいかかった。家建てようと思って土地探しした人、結構あるあるだと思う。なかなか理想通りの土地ってないですよね。みんなそれぞれ理想があると思うけど
私たちの、こんな土地が良い7選!

  1. 木が生えていて、かつ爽やかな雰囲気。具体的に言うと広葉樹がいっぱい生えている所
  2. 今の家から工事するのに通いやすい所
  3. 電気の引き込み、除雪のことを考えて道路からも近い所
  4. 周囲に資材置きや不法投棄されてるような汚い場所がない所
  5. なるべくなら南向きの斜面で、家が建てられるくらいの斜度
  6. 静かな所
  7. 値段

2018年〜2019年
なんとなく土地を探し始める。絶対東川町がいい、という気持ちは無く、今の家(東川町)から通えるなら旭川市でも当麻町でも良かった。この頃は車で走りながら「こんなところがいいね〜」とか売り土地の看板を探すくらい。ネットの不動産情報もたまに見て、知人に「土地探してるんすよ〜」ってちらっと話すくらいの熱量。全然見つからない。

2019年〜2020年冬
引き続き土地探し。不動産屋さんに問い合わせたり、土地を見せて貰ったりする。知人から情報を得て見に行ったり、暇を見てはネットでの情報収集もするがいい土地には巡り会えない。

2020年春
土地の持ち主を調べ、直に交渉する方法に切り替える。と、これですぐ見つかった!どうやるかと言うと、法務局に行くと土地の登記情報が調べられる。(直接行かなくてもインターネット上で照会できる土地もある。)その土地の広さや境界、持ち主の名前と登録されている住所が分かる。でも持ち主さんが遠くに住んでいたり、個人の持ち物ではなく法人の土地だったり、中には名前の雰囲気と登記した年から考えて、他界しているのでは・・・という土地も・・・。それでも何件か、「これは行けるんじゃ!?」というお宅を見つけて、でも何回か空振りに終わってその度がっかりして。そりゃ、いきなり家に来て、「土地売って下さい」て言われたら不審に思うよね。もし自分がされたら嫌だもんな。でも割と早く、3年の月日を思うと割と早く、良い出会いが!

土地を譲ってくれた持ち主さん、Sさんのお宅を訪ねたときのこと、夫がまず挨拶して、交渉し始める係だった。持ち主さんのお宅を訪ねる前に、相手方に失礼のないよう、出来るだけ不審に思われないよう、夫と質疑応答のシュミレーションをする。しかし実際ピンポンして行ったら緊張でテンパって全然練習通り出来てないじゃん!今思い出しても笑えるくらい出来てなかった!

私も「これでフラれたらまた振り出しか」という気持ちで、「もうフラれたくない!!」と思っていた。なので一緒に超緊張していた。昔やってた、「あいのり」で告白するときの緊張感並みの緊張感だった。

とにかく、土地が見つかったのはめっっっっっっちゃ大きな一歩で、100メートル走で言うと60メートルくらいの意味のある一歩で、すごく嬉しかった!

最初は東川であることに拘ってはいなかったけど、「東川のここにして良かったな」と思う一番のポイントはSさんとの出会い。Sさんは山、森を愛していて、草や木についての知識がすごい。その知識をただ頭で知っているだけでなく、経験としてわかっている感じが格好いい。木の寿命とか、どこにどんな植物が生えているとか。Sさんのお話を伺っていると、知識がないとただの雑草って思っちゃうけど、そうではなくてそれぞれに効能や役割があるんだと気付かされる。エゾウコギはすごいらしい。

土地探し

見つけた当時の土地。お望み通りの広葉樹がいっぱい生えてる。開拓したので今と少し印象違う。

 

<プランニング、設計>を始める。まずお互いの要望を全て書き出す。お互い、家づくりはずっとやりたかったことなので、「こんなことがやりたい!」というのは既にあった。あれがやりたい、これがやりたいと、イメージをふわあっとさせてる時が一番楽しくてワクワクする!

例えば、「室内の高さをバラバラにする」「建物全体の高さは抑える」「大きな玄関ポーチ」「いろんな大きさ、性格の違う窓をつける」など。

私の頭のなかには明治から昭和の邸宅のような、シンプルじゃない、建て主や作り手のクセが出てしまった家、というイメージがあった。後から聞いたことだけど、夫の頭の中にはバラガン(メキシコの建築家)の邸宅のイメージがあったらしい。

原案は夫の案で割とすっと決まった。そこから、ああでもない、こうでもないとプランをいじり、模型を作り検討し、喧嘩して、また考えて、今の形に落ち着く。この中盤の作業は夢を現実に収めて行く作業で、他の選択肢、言い換えるなら他の可能性を切り捨てていく作業で、本当にこれで良いのか、と不安になるし結構辛い作業でもある。

二人の意見が対立した際、折衷案はつまらないものになりがちなので、折衷案はなるべく使わないようにした。

で、ちょいちょい問題というか「う〜ん」という微妙なところが出て来て、そこはウンウン唸りながら解決するのだけど、それを解決するときもすごく楽しい!気持ちいい!

まとめると設計序盤(楽しい!!)→中盤(夢が急に現実味を帯びてくる)→終盤(ここもここも解決できた!いい家になりそう!楽しみ〜!早く着工したいなあ)

 

<開拓>夏から道づくりと家を建てる場所の木を切り倒す。友人にも手伝ってもらい、夫と友人がチェーンソーとユンボを使い木を倒していく。夫婦二人とも、自分よりずっと長生きしている木をなるべく倒したくなくて、倒す本数が少なくて済むように家の場所を決めた。去年の夏はとても暑く、私は切った丸太や枝を片付けるだけでも汗がダクダクだった。

木がバターン!と倒れる時はうおおおと思わず声が上がる。謎の興奮がある。この作業をしている時はよく開拓時代の北海道に思いを馳せていた。当時はユンボもチェーンソーもなく、今生えているよりもっと太くて大きい木を一本一本倒していったのだと思うと、切った丸太片付けてるだけで大変なんて甘えたこと言っちゃダメだな!ちなみにこの土地はSさんによると約70年前は畑だったらしい。70年で畑だった土地にこんなに木が生えるのか!

開拓

広葉樹はなるべく残したいので主にカラマツを切る。木が引っかかったり、一筋縄では上手く倒せない。

 

<基礎工事>これが辛かった。初めての基礎工事。

9月の初めから根掘りと砕石を入れて鉄筋を組む作業をした。これらの作業が終わった時点で11月になっていた。時間がない。なぜならコンクリートを流し込む作業は完全な冬になってしまうとコンクリートが凍れてしまって出来ない。次の春を待つ、という案もあったがその分完成も遅れるわけで、それは良くないので決行!いやでも辛かった〜。

寒さの中での重労働。場所的に生コン車、ポンプ車が入れないのでほぼ手作業。この時も友人の手を借りながら、一袋25キロのセメントを200袋練り、手で型枠に流し込んだ。辛かった。

防凍剤(コンクリートが凍るのを防ぐ添加物)を入れても、コンクリートが打てるのはせいぜいー5度位まで。コンクリートの打設を始めたのが12月3日くらい。冷え込むまで、まさに時間の問題だ。

夏に1週間くらい釧路方面行ってキャンプしたりカヤック乗って遊んでた自分たちが恨めしかった。あと1週間余裕があればどんなに心の余裕があっただろう。

しかし、この年の冬は暖冬、本格的に冷え込むのが遅かったこともあり、なんとか、基礎工事完了!!終わったのは12月15日。このときの安堵の気持ちと言ったらもう!

土地が決まった時点で、100メートル走のうちの60メートルが終わったような気持ちだったけど、基礎工事が終わった時点で35メートルは進んだ!あと5メートル!もうゴールしたも同然だ!(本当はまだ全然だけど)

基礎工事終わった直後の日記を見ると「しもやけ」「腰が痛いけど夫も辛いだろうから痛いと言えない」「体は疲れているのに不安もあってなかなか寝付けない、次の日さらに辛い」「疲労で家に帰ってからも会話がない」他にも色々辛かったことが綴られていたが、ちょっとここには書けない。

他には「友人に手伝って貰っている日の夕方頃に頭の中で自然と小田和正の『言葉にできない』が流れた」と感謝の気持ちが綴られていた。

なぜここまで辛い思いしてまで基礎工事をやったかというと、費用の面もあるけど、一度は自分でやって経験したかったというのが大きな理由。基礎工事は基礎屋さんに頼むものなので、自分たちの手でやる機会は今まで無かった。この経験のおかげで将来、「セルフビルドしたくて基礎工事から自分でやりたいんですけど・・・。」ともし相談されることがあったら「めっちゃ大変でしんどいけど、不可能ではない」とアドバイスが出来るようになった!やって良かったけど、もうやらない!

基礎工事

雨の中型枠を直してるところ。この写真めっちゃ良い笑顔だけど普通に辛かった。

 

<土台敷きから建て方>待ちに待った春。基礎の周りの整地、薪の片付けを経て、土台を敷いて柱が何本か立った!!上棟までもうすぐだー!遂にここまで来た!!

土台敷きから建て方

5月20日の写真。整地もまあまあ時間がかかって、いつの間にやら新緑の季節に。

 

つらつらと書き連ねて参りましたが、これが私たちの家づくりの始まりから、5月20日までの過程です。このコラムが掲載される頃にはもう少し現場も進んでいることでしょう!もし良かったらInstagramのアカウント(muroiminamiderisa)も見てみて下さい。
〜つづく〜

東川町 リサ

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