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東川町の放課後
《北海道東川町へ子育て移住をした家族のはなし②》

たのしむ   極める   まなぶ  
2023.11.17

「ほんとに東川の水っておいしー!こっちにきて良かったー!」

娘が言う言葉にはハッとさせられる時が多々ある。

東川町に来てからは水道から出る天然水を毎日飲んでいる。
水道から天然水??何を言っているのかと思われたかもしれないが、
東川町は上水道が存在しない、北海道で唯一の町なのだ。
お風呂の水まで天然水なのだから、毎日自然に感謝するべきなのだが、
日々の忙しさについ忘れてしまっていることもある。
そんな時にふと娘が言う言葉は、大切なことを思い出させてくれるのだ。

私たち家族は、子供が育つ大事な幼少期を北海道で過ごそうと決め、
東京から東川町へ移住をして、3度目の冬のシーズンを迎えようとしている。

前回のコラム「ぽかぽかの日差しに惚れてしまった私に引き続き、
今回は定住するまでの経緯と、子供の放課後の過ごし方などについて綴ろうと思う。

まず私たちの場合、
町主催の移住体験で来たため1年間の猶予期間はあったものの、定住先を探すことに時間を要した。

娘の通学のことを考えると、場所的には限られてくる。
公営団地の抽選でも何回も落選し、民間アパートの空きもなかなかない。
かといって、
前々から移住計画をしていたわけではなかったため
これから土地を買って家を建てようにも時間が足りず、困り果てた。

そうこうするうち、今の住居を引っ越さなくてはならないタイムリミットまであと1ヶ月、となった。
こうなれば知り合いの家の庭にテントを建てて生活しようかとも思ったり、
最後には、東京に帰ることも少し考えていたりした。
そんなタイミングで、運良く公営団地の抽選に当たったのだ。

 

娘は、通学路も、一緒に登校するお友達も変わり
少々時間がかかりはしたが、
ひとつ山を越え、気持ちもやっと落ち着いたといったところだ。

幼稚園時代のお友達がこの町にあまり多くない娘に、一人でも多く同世代と接してほしいと言う思いから、
何か一つ地域の習い事をしてほしいと考えた。

色々と検索をしていたところチアリーディングクラブのチラシを見つけ、見学体験会に行ってみることにした。
そこで先輩方の演技に魅了され、娘はすぐに参加することを決めた。

《大雪子どもチアリーディングチーム SNOWBELL Jr》
ここでは小学生から高校生までのメンバーがチームを組んで、
チアリーディングの基礎的なことをコーチから教わり、年間で数回のイベントに向けて日々練習をしている。

今年の夏は流行病も落ち着き、イベントごとの開催が多く、
出演する機会が沢山あり、表現の幅を少しずつ広げてきた。

「よさこいソーラン祭り」のゲスト出演から始まり、
東川町で開催する夏のメインイベント「どんとこい祭り」への出演、
プロ野球チームのチアリーダーと一緒にステージに立ったりと、大忙しだった。

このチームでは同じ小学校の子や、他の地域から通っている子も居るので、
様々な繋がりができ、娘も切磋琢磨して成長中である。

今冬には「北日本チアリーディングフェスティバル」への参加が決まっており、
その練習にも力を入れているところだ。
それには保護者の協力も重要になってくる。娘と共に、親も成長させていただいているのである。

東川町には児童館のようなものは無い。しかし、放課後事業が充実している。
それがこの町での子育てのしやすさにつながっていると感じる。
ここからは、学校がある平日の放課後について触れようと思う。

《東川わくわくプレイス》
週3回、町の室内施設や公園などで自由に子ども達が集まり、遊び学べる場所がある。
それが「東川わくわくプレイス」だ。

学校帰りにそのまま行くのだが、現地に着き、専用のカードリーダーを機械にかざすことで、
到着を知らせる通知が親の携帯に入るようになっている。
そこでは町内の小学生が集まって、そこにあるもので好きなように遊ぶ。

スタッフは、研修を受講した町の方や留学生が担い、英国プレイワークに基づき運営をしている。
時には専門家の方を迎えてワークショップをしてくれたり、
季節ごとに田植え体験や収穫を行ったり、そのお米を羽釜で炊いて食べたり、
とれたての野菜を収穫して、その場ですぐ調理してみんなで食べてみたりと、様々な体験をさせてくれる。

《学童保育》
週2回ほどお世話になっている学童保育。
ここでは遊ぶ前に必ず宿題をやるのが決まりになっているので、親としては大変ありがたい。
先生方も優しく一緒に遊びをしてくれたり、見守りをしてくださっている。

《めだかのクラブ》
月2回、東川町国際交流員の外国人の先生と楽しく英語を学ぶ学童英語クラブ。
イースターやハロウィーンの時には、手作りの素敵なイベントを開催してくれたりする。
英語力の向上だけでなく、色々な国の先生と関わることで、広い視野を育てるという目的をもって活動してくれている。

《東川町水泳少年団》
夏の4ヶ月間のみ週2回、それぞれのレベルに合わせて練習をする。
指導員の先生方にもサポートしていただきながら、四泳法マスターが目標である。

他にも、「ひがしかわゆめスクール」や「放課後子ども教室」など、それぞれのご家庭状況や子どもに合わせて選べる活動がたくさんある。
少年団も様々で、雪の降る地域ならではの「東川クロスカントリースキー少年団」などもある。

以上のような活動の充実ぶりから、まちの子ども達は平日の放課後、居場所に困ることはない。
だから親も安心して仕事に励めるのだ。本当に有難いことだ。

こうして我が家は移住して3年目に突入したのであるが、
この町の人々との繋がりは徐々に広がっていっている。
次回はそのことにも触れたいと思っている。

 

 

子育て移住 M

 

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