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畑仕事で東川の自然と夏を味わう ~移住3年目の夏~
 

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2023.8.4

雪の降らない暖かい町から移住して2回目の冬を過ごし、待ち遠しく思っていた春がやってきました。春は、空き地や駐車場、ご近所のお庭などが色とりどりの花々でいっぱいになり、広い空き地一面に咲く、たんぽぽの花畑もあちらこちらで見ることができます。

 

 

そんな美しい春を過ごしていたら、昨年もお借りした東川町の畑が開園となりました。開園はゴールデンウイーク明けの5月6日。いよいよ今年の畑作業の始まりです。

昨年と違い、仕事をしながら畑仕事ができるのかと開園まで心配していました。しかし、実際に始まってみると心配している暇がないくらいやることが多く、今では毎日、仕事帰りに畑に直行して日が暮れるまで畑仕事をするのが日課になっています。

 

5月初旬、畑仕事は、まず土を柔らかくする堆肥を撒いて畝を作るところから始まります。

畑を耕すことができる時間は、仕事を終えた午後6時から日が暮れる午後7時半までの1時間半というわずかな時間しかありません。毎日、畑を耕して畝作りを夢中でやっていました。私が一日にできる畝は、頑張ってもひとつです。息を切らしたり、痛くなった腰を伸ばしたりと、まるでジムにでも来ているような感覚でした。

毎日筋肉痛でしたが、何本もの畝ができる頃には、これで畝作りが終わってしまうのかと、寂しいような気持ちになっていました。あんなに大変な畝作りだったのに終わるのが寂しいと思うなんて、畑仕事って面白いなあと思いました。

 

 

そして、畑での楽しみのひとつは、夕焼けです。

畑から見える夕焼けは素晴らしく、見るたびにきれいだなあと自然に声が出てしまいます。どんなに体が疲れていても、目も心も夕焼けに吸い込まれそうになります。どこまでも続く広い空が真っ赤に染まる景色を見る瞬間は、私を元気にしてくれる贅沢な時間でした。

 

畝を作ったら、次は種まきです。

東川の5月の最低気温は5度近くまで下がる日もあります。風が強く吹く日もあり、寒い!寒い!と震えながら種を撒いていました。しかしそんな寒さの中でも、畑の土の中に手を入れると土のホッとする温かさが伝わってきました。土の中はこんなに温かいんだ。だから種ものびのびと発芽するんだなあと感動しました。

 

 

5月初旬に種を撒いた畝は、朝晩の気温が低いためなかなか芽が出ませんでした。最初に撒いた種は父からもらった数種類の菜っ葉やハーブの種たち。種が発芽するよう、土が乾かないように毎日、水を撒きに行きました。

そして、5月中旬、気温が上がってきたところで、トマトやナス、キュウリの苗を植えていきました。そんな作業をしているとあちらこちらで鳥の声が聴こえてきます。まるで音楽のように聴こえる鳥のさえずりで、気持ちの良い初夏の季節を感じることができました。

5月も半ばを過ぎると、田んぼに水が入り、田植えの時期になりました。すると今度はカエルの合唱の始まりです。東川は水田が多く、美味しいお米がとれる町です。町中の水田に大雪山の地下水が入り、かわいい稲が植えられ、茶色だった畑があっという間に、また違う素敵な景色に変わっていきます。畑への行き帰りにも青々と育つ稲が広がる景色に癒される季節です。

 

 

畑仕事の恩恵はまだまだあります。

畑に来られている方とお話しできるようになったことです。その方たちと苗や野菜を交換したり、美味しい野菜の食べ方を教えてもらったりと短い時間ですが楽しい時間を過ごすことができるようになりました。

そして、自分で作った野菜と頂いた野菜は様々な料理になって食卓を彩ります。さっき収穫したばかりの野菜を食べることができる幸せを、日々味わっています。

 

 

仕事でストレスが溜まった時でも、毎日、畑に向かっていると、東川の美しい景色にだんだんと心が整っていきます。そして、夢中で畑仕事をし、美しい夕陽を見ながら家に帰る頃には、気分がスッキリしているのです。

小さな種が発芽して芽が出てくること、あっという間に伸びていく野菜の枝やツルの成長の早さ、採りたての野菜の美味しさなど、自然からたくさんのエネルギーをもらっているのだと思います。

 

まだまだ、これからが収穫の時期です。ますます忙しい季節になりますが、東川の自然の恵みを頂いて夏を満喫したいと思っています。

 

自然に親しむ東川町民 F

 

 

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