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「ずどーん」デザイン制作秘話
 

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2023.2.4

奈井江町の新キャッチフレーズ「ずどーん」が、じわじわと町に広がりはじめている。
(前回のコラム、『北海道奈井江町のキャッチフレーズは「ずどーん」!』はこちら
ところで、「ずどーん」という文字と、カラフルな図形の描かれたデザインは、どのように生まれたのか?ちょっと気になるところだ。

ノベルティのトートバッグ(非売品)

まず、「ずどーん」という文字。
当初は、「ZOODOOON」がカッコ良いかな?意外性があるかな?という検討もされたらしい。カッコ良さも大事だけれど、読みやすさや親しみやすさ、楽しさや面白さを考えた時に、やっぱり平仮名で「ずどーん」が良いね!ということになった。オリジナリティがあって、インパクトもある。
そして、使う場面によって、「ずどーん」の「―」を長く伸ばしてみると、“日本一の直線道路のまち”としての一直線感や、町への注目度がアップするという考え方も、遊びがあって楽しいところだと思う。
キャッチフレーズづくりに役立つ体験会「ないえらしさってなんだの会」などのワークショップを町の職員の皆さんとともに企画し、参加者から飛び出したアイデアを磨いて、「ずどーん」という言葉に仕上げる部分を担当したのが、コピーライターの田中有史さん。多くの企業や商業施設などのブランディングやコピーライティングに携わってこられた田中さんも、このプロジェクトの大事な一員だ。

ノベルティのマグカップ(非売品)

そして、もう一つの大切な要素になっているのが、奈井江町の大自然(大地)を表現したという、さまざまな台形で構成されたビジュアルである。
このカラフルな色は、四季折々の田の色、山の色、川の色、そして多様な人びとを象っているそうだ。さらに、さまざまなかたちの台形が繋がっていくことで、多様な交流が生まれるよう、奈井江町の未来への願いが込められている。

さらに意外なのが、このカラフルなビジュアルを制作したのは、陶芸家の藤本美歩さん。
いわゆる陶芸作品ではないが、なぜ藤本さんだったのか?
藤本さんは、陶芸家になる以前、大学でグラフィックデザインの勉強をし、長年テレビ局での美術担当をしていたという異色の経歴を持つ。
多彩な表現が出来る藤本さんならではの発想力で、「ずどーん」というフレーズと、奈井江町の風景などから、このビジュアルのアイデアが、直感的にずどーん!と降りてきたそう。

藤本さんによって、切り絵のように、色とりどりの紙が貼られた美しい原画(原案)や、文字などの要素をデザインし、ポスターやノベルティなど世に出るかたちに仕上げる役割を担ったのが、アートディレクターでグラフィックデザイナーの浪本浩一さん。
陶芸家の藤本さんに依頼することになったのも、ものづくりの人たちとの交流も多い浪本さんならではの発想だった。

このように、さまざまなクリエイターが集まって、町の皆さんとともにアイデアを交わし、「ずどーん」が一つのデザインとなって、たくさんの人たちの目に触れ、使われ、育っていく。「ずどーん」の広がりとともに、コミュニケーションのかたちも広がっていくのって、すごくワクワクする。

 

活まちタクシードライバー K