【イベントレポート】5つのまちから届いた、今そこにある“活躍”のかたち。<前編>
北海道東川町、福島県伊達市、山梨県都留市、鳥取県湯梨浜町と南部町。「生涯活躍」のまちづくりを進める5つのまちから、熱く楽しく元気な人たちがやってきました。自分の故郷を思い浮かべながら、まちの様子を一緒に覗いてみませんか?
鳥取県湯梨浜町(ゆりはまちょう)
最初に登場するのは鳥取県の中央に位置する湯梨浜町。湯梨浜町みらい創造室の谷岡さんがまちの魅力を(鬼の姿で!?)説明していきます。
町名に「温泉」「梨」「浜辺」を冠する湯梨浜町。日本一の出荷量を誇る湯梨浜町の二十世紀梨は、町内にある東洋一のマンモス選果場へと運び込まれていく。
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湯梨浜町にはスポーツ分野で「日本初」が2つある。1つはグラウンド・ゴルフ発祥の地。もう一つは全日本ノルディック・ウォーク連盟公認コースの第1号。まちには関連するイベントも多い。
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湯梨浜町が始めた新しい試み「ゆりはまフェロー」。SNSや様々な体験制度を通して人とまちとの関わりを深めている。
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住民の手で活性化が進む松崎地区の商店街。鬼嫁がいるのもここ。最近ではまちの魅力に惹かれ、空き店舗を利用して店を構える移住者が増えている。
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今回、湯梨浜町からやってきたのは鬼嫁のみなさん。歴史ある三八市(さんぱちいち)を復活させるために立ち上がった松崎地区の女性たちです。
天女の心を忘れないやさしい鬼嫁たち。(注:湯梨浜町には羽衣天女の伝説がある)
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「私たちが楽しんじゃえ! ついでに(?)スタッフやギャラリーも笑顔にしちゃえ!」と活動を始めた鬼嫁は、三八市の復活を通して地域のコミュニケーションを活性化していきます。活動はさらにひろがり、カフェ梅やのオープン、鬼嫁コンテストの開催などなど。そしていつしかテレビ番組でもとりあげられる様になり、移住定住の後押しになっていきました。
にぎわいを取り戻した三八市。若者との交流も増え、人と人が繋がるきっかけになっていく。「10月の3と8のつく日に開かれる朝市」が三八市の名前の由来。
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「地元のお年寄りを大切に」をモットーに誕生したカフェ梅や。「ゆりはま暮らし体験ボランティア制度」を使えば、商店街にあるゲストハウス「たみ」に泊まりながら、交流や給仕のボランティアが可能。
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生まれ育った商店街の活性化から始まった鬼嫁たちの活動は、いつのまにか多くの人をまきこみ、町全体を活躍の場へと変えていきました。昭和レトロの商店街だった松崎地区は、いま、まちづくりの中心街になろうとしています。
三八市ではお手伝い鬼も大歓迎! あなたも鬼嫁に会いにゆりはまへ遊びに行ってみませんか? 鬼になって活躍するチャンスが巡ってくるかもしれません。
山梨県都留市(つるし)
続いて登場するのは、「体の60%が富士山の湧き水」と話す都留市企画課の小林さん。親しみやすい口調で軽快に説明していきます。
富士山麓に位置する湧水のまちでありながら、東京にほど近い都留市。首都圏では味わえない豊かな自然を日帰り感覚で楽しめる。
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3万人のまちに3つの大学を有する都留市は、9人に一人が大学生。城下町の気風なのか、まちは県外からやってくる学生や移住者をあたたかく受け入れてきた。
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都留市ではいま、学生が「まちの経済をまわす側」となって「まちづくり」に参加している。学生運営のゲストハウスやカフェが、さらに人の輪を広げていく。
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新たに開設したグランピング型ワーケーション施設”THE FOREST”。都留市は「いつでも来られるふるさと」として、新しい価値の提供を目指す。
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大学生がまちづくりに参加する都留市からやってきたのは、都留文科大学で小学校教育を学びながら、ゲストハウスゆかりの4代目代表を務める玉村さん。
「自分たちで作り上げていく経験ができるのが大きい」と話す玉村さん(下段中央)。山梨に行ったら宿泊はゲストハウスゆかりへ。(笑)
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Instagramでゆかりと出会い、その「地域に密着した活動」に魅力を感じて代表を受け継いだ玉村さん。その後もビジネスプランコンテスト、地域での活動など、都留市特有のウェルカムな雰囲気に後押しされながら活動の幅を広げていきます。
学生が立ち上げ、学生が継承するゲストハウスゆかり。地域とコラボレーションした活動を企画しているのも特徴の1つ。一軒のゲストハウスが、まちと学生、まちとゲストを繋いでいく。
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学生がイニシアチブをとってまちづくりに関わる事ができるまち、都留市。玉村さん以外にも多くの学生が活躍する。
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玉村さんは、グランピング型ワーケーション施設”THE FOREST”の立ち上げにも参加しています。「観光地というよりは、何回か足を運んでもらって、好きになってもらって、関係人口になっていくっていうのが理想だと思うんです。これを、学生の立場から広めていったり深めていったりというお手伝いをしています。」
いろいろな可能性にあふれている玉村さん。これは玉村さんが「学生だから」というだけではなく、年齢性別関係なく個人が楽しんで暮らしている都留市だからこそ見えてくる、新しい活躍の場なのかも知れません。
「(関わってみたいと思ったら)僕に連絡ください、都留に来てください、そして一緒に考えましょう。」ゆかりで玉村さんがあなたを待っています!
福島県伊達市(だてし)
次は福島県中通りの北側に位置する伊達市。「子育て こそだて(伊達)」の言葉どおり、子育て支援に力をいれる伊達市の様子を伊達市役所の中村さんが説明していきます。
寒暖差が大きく四季折々の景色を楽しめる伊達市は、東京から新幹線で約2時間の「意外と便利な田舎」。2021年には東北中央自動車道が全線開通し、車でのアクセスが格段によくなった。
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春から夏は苺やサクランボに桃、秋は葡萄や林檎、冬は柿と、おいしい果物が一年中手に入る。中村さんによると地元では桃はかたい方が人気だとか。
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「地域で子育て」という考えで支援を充実させてきた伊達市。認定こども園や放課後児童クラブの他に、実家の親の様に相談できるネウボラ保健師さんや、親子で過ごせる「ままカフェ」など、医療から教育まで切れ目なくサポートする。
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親子で利用できる遊び場が多いのも伊達市の特徴の1つ。屋内遊び場は地域の様々な世代交流の場としても機能する。伊達市では地域が親を支え、こどもを育てていく。
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伊達市からは、移住コンシェルジュの小林さんが登場。首都圏の大学生とまちを繋ぐ「伊達市ふるさと交流プロジェクト」について話していきます。
首都圏の大学生が伊達市のこども達や地域住民と交流する「伊達市ふるさと交流プロジェクト」。こども達には家でも学校でもない“第3の学びの場”を、そして大学生には“第2のふるさと”を提供する。
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もと伊達市地域おこし支援員の小林さんは、都内からのUターン移住者。自らの経験を生かした移住コンシェルジュのお仕事に加え、このような地域交流の活動を長く続けています。
プロジェクトに参加した大学生の中には、災害ボランティアに駆けつける人、伊達市に保育士として就職する人もいるとのこと、まちと首都圏との関わりが徐々に深まっています。
「お兄ちゃん、お姉ちゃんにまた会いたい!」こども達の反応はいつも直球勝負。こども達との交流内容はコアメンバーを中心に全部自分達で決め、準備していく。
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首都圏で生まれ育った大学生が地域交流を通してリアルな田舎を体験する。参加する大学生は先輩から後輩へ、友達から友達へと、口コミで広がってきた。
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教育に力を入れる伊達市ならではのこのプロジェクト、地域の中だけにとどまらず、活躍の場を首都圏にまで広げている様子がとても印象的でした。
小林さんは移住コンシェルジュとして「日程や内容を希望者に合わせるオーダーメイド田舎体験」も提供中です。あなたも活躍の場をみつけに伊達市に行ってみませんか? 小林さんと、こども達と、そしておいしい果物があなたを待っています! <後編へ続く>
シネマ活まち映写室より