(前編からの続き。前編はこちら)
(5)伊達鶏の焼き鳥
昼に道の駅伊達の郷りょうぜんを訪れた同日の夜、宿泊先のホテルがある福島駅近くの居酒屋に入った。焼き鳥と野菜カツの店だ。「夜ごはんはどこにしよう?」という話になったとき、伊達鶏の焼き鳥を食べることのできる店を希望した覚えがある。美味しい鶏肉の食べ方として、欠かせないと思ったからだ。昼にも伊達鶏を食べたのに、反対意見はなかったと思う。さて、この店も大当たりだった。濃厚な味とシャキシャキした歯ごたえは、伊達鶏という素材のよさを感じた。
(6)3度目の福島県伊達市訪問と伊達物産
2021年10月、3度目の伊達市への訪問機会があった。もちろん道の駅伊達の郷りょうぜんにも行くが、伊達市内の他の場所でも伊達鶏を食べてみたくなり、伊達物産株式会社が運営する「からあげ伊達屋 梁川本店」を訪れた。伊達物産は、1957年に創業し、主に伊達鶏の食肉生産・加工・販売などを行なう企業。「からあげ伊達屋」はその直営店。いわば伊達鶏の総本山といっても過言ではない。さて、このから揚げはというと、「冷めても美味しい」というのが特徴のひとつ。味付けと素材の味に自信がある証拠だろう。テイクアウトし、実際に食べてみると、たしかに冷めていてもうまい。ジューシーな唐揚げは、何個でもペロリと食べてしまうほど、親しみやすい味だった。
(7)「伊達の極み鶏料理」をつくる
2022年2月、オンラインイベント「福島県伊達市が誇る極上鶏肉”伊達鶏”と”だてのハーブ鶏”が届く! 道の駅伊達の郷りょうぜん 八島料理長と作る『伊達の極み鶏料理』」を開催した。道の駅伊達の郷りょうぜんの酒井支配人と伊達物産株式会社の今野部長のご協力のもと、プリンスホテルやホテルニューオータニなどでご活躍された八島料理長から伊達鶏をつかったオリジナルメニューを教えてもらおうという企画である。私はこの企画に関わり、テストのため何回かこの料理を作った。料理長の腕にはもちろん及ばないが、非常に美味だ。料理長のレシピには、たくさんの工夫やこだわり、そして伊達鶏への愛が詰まっている。伊達鶏は、食材が豊かにある伊達市の中でも、象徴的な存在だ。このイベントの中で、酒井支配人や今野部長、八島料理長がこの伊達鶏を使ってなんとか伊達市を盛り上げていこう、という想いを語っていた。その想いを聞いてから改めて伊達鶏を食べると、いつもより味に深みがある気がした。
(8)エピローグ
こうして、私は伊達鶏が好きになった。一つの食材についてここまで徹底的に関わったり、考えてきたりしたことはない。もはや偏愛と呼べるかもしれない。
みなさんには、心から愛する食材はあるだろうか?
私は、伊達鶏に出会い、調べ、味わい、想いを知ったことで、好きなものが増え、少し人生が豊かになったように思える。ありがとう、伊達鶏。
活まち新聞社 新人ライターS
【参考URL】
福島県伊達市 伊達鶏(https://www.city.fukushima-date.lg.jp/site/promotion/48743.html)
道の駅伊達の郷りょうぜん(http://michinoeki-datenosato-ryozen.jp/)
伊達物産株式会社(http://www.datebussan.co.jp/)